病院で亡くなったらまず何をする?搬送・安置までの流れ

ご家族が病院で亡くなったときは、深い悲しみの中でも、病院から 「葬儀社を決めてください」「お迎えを手配してください」 と案内されることがあります。
突然のことで、
- 今すぐ葬儀の内容まで決めなければいけないのか
- どこへ電話したらよいのか
- 自宅へ連れて帰れない場合はどうすればよいのか
と、戸惑う方も少なくありません。
結論からお伝えすると、 病院にいる間に、葬儀の内容まですべて決める必要はありません。
まず必要なのは、次の2つです。
- 故人様のお迎えを依頼する葬儀社
- 故人様にお休みいただく安置先
葬儀の形式や日程、祭壇、料理、返礼品などは、故人様をご安置した後に、ご家族で落ち着いて相談できます。
この記事では、病院での死亡確認から、葬儀社への連絡、搬送、安置までに行うことを、順番に説明します。
この記事の要点
- 病院で葬儀内容まですべて決める必要はありません
- まず決めるのは「搬送を依頼する葬儀社」と「安置先」です
- 病院から葬儀社を紹介されても、自分で選んだ葬儀社へ相談できます
- 自宅へ安置できない場合は、葬儀社などの安置施設を利用できます
- 葬儀の日程や形式、費用は、ご安置後に相談できます
- 深夜や早朝でも、病院から搬送を求められている場合は葬儀社へ連絡して問題ありません
まず知っておきたいこと|病院で葬儀内容まで決める必要はありません
病院から葬儀社を決めるよう案内されると、
- 家族葬にするのか
- どのくらい費用をかけるのか
- 何人くらい呼ぶのか
といったことまで、すぐに決めなければならないと思うかもしれません。
しかし、病院にいる段階で優先するのは、 故人様をどこへお連れし、どこでお休みいただくかを決めること です。
病院にいる間に決めること
病院で主に決めるのは、次の内容です。
- 病院からの搬送を依頼する葬儀社
- ご自宅または安置施設などの搬送先
- 葬儀社や病院と連絡を取るご家族の代表者
安置先がまだ決まっていない場合は、葬儀社へそのまま伝えて構いません。
「自宅へ連れて帰れるか分からない」
「安置施設がどこにあるか分からない」
という状態でも、まず相談することができます。
ご安置後に決められること
次の内容は、故人様をご安置した後に相談できます。
- 家族葬、一日葬、火葬式などの葬儀形式
- 葬儀の日程
- 参列してもらう方の範囲
- 葬儀会場
- 祭壇やお花
- 料理や返礼品
- 宗教者への依頼
- 葬儀全体の予算
病院で慌てて決めるのではなく、まずは故人様が安心してお休みできる場所を整え、その後でご家族に合う送り方を考えていきましょう。
病院で亡くなってから搬送するまでの流れ
病院で亡くなった後は、一般的に次の順番で進みます。
1.医師による死亡確認と説明を受ける
病院では、医師が故人様の状態を確認し、ご家族へ死亡の説明を行います。
亡くなった直後は、気持ちが追いつかず、説明を一度で理解できないこともあります。
分からないことがあれば、医師や看護師へもう一度聞いて構いません。また、ご家族の中で比較的落ち着いている方が説明を一緒に聞いたり、内容をメモしたりすると、その後の確認がしやすくなります。
医師が、生前に診療していた傷病に関連する死亡と判断した場合は「死亡診断書」、それ以外の場合は「死体検案書」が交付されます。どちらも、人の死亡を医学的・法律的に証明する重要な書類です。
この段階では、すぐに事務手続きを始めることだけを考えず、故人様との時間も大切にしてください。
2.近しいご家族や親族へ連絡する
次に、近しいご家族や親族へ亡くなったことを連絡します。
この時点では、葬儀の日程や会場が決まっていなくても問題ありません。
まずは、次の内容だけを伝えれば十分です。
- 亡くなったこと
- 現在いる病院
- まだ葬儀の日程は決まっていないこと
- 詳細は改めて連絡すること
連絡する人数が多い場合は、ご家族の中で代表者を決め、そこからほかの方へ伝えてもらう方法もあります。
一度にすべての方へ連絡しようとすると、ご家族の負担が大きくなります。まずは、故人様と特に関係の近い方から連絡しましょう。
3.病院で故人様のお身体を整えてもらう
死亡確認後、病院では故人様のお身体を拭いたり、お着替えをしたりするなどの処置が行われることがあります。
処置の内容や費用、着せたい服を持ち込めるかどうかは、病院によって異なります。
確認したいことがある場合は、看護師へ次のように尋ねてみましょう。
- どのような処置を行うのか
- ご家族が用意した服を着せてもらえるか
- 病院でメイクまで対応してもらえるか
- 処置に費用がかかるか
- いつごろまでに搬送を手配すればよいか
「着せてあげたい服がある」
「いつもの表情に近づけてあげたい」
といった希望がある場合は、病院で対応してもらえることもあります。病院での対応が難しい場合や、より丁寧なお着せ替え・メイクを希望する場合は、ご安置後に葬儀社へ相談できます。
家族葬のウィルでも、お着せ替えやメイクに対応していますので、ご希望をお聞かせください。
4.故人様の安置先を決める
病院から搬送する前に、故人様にどこでお休みいただくかを決めます。
主な選択肢は、次のとおりです。
- ご自宅
- 葬儀社の安置施設
- 民間の安置施設
ご自宅へ連れて帰ることが難しい場合でも、無理をする必要はありません。
マンションなどで搬入経路が確保しにくい場合、ご自宅に安置する部屋がない場合、ご家族の負担を減らしたい場合は、安置施設を利用する方法があります。
自宅安置を希望する場合
「自宅が狭いので、故人様を連れて帰るのは難しいのではないか」と心配される方もいらっしゃいます。
しかし、自宅安置のために、広い和室や特別な部屋が必ず必要というわけではありません。
家族葬のウィルでは、一つの目安として、
- エアコンで室温を管理できる
- 布団一組を敷ける
- おおむね4畳程度の空間を確保できる
という条件がそろっていれば、多くの場合は自宅安置を検討できます。
普段は寝室や洋室として使っている部屋でも、家具を少し移動し、布団を敷ける場所を作れれば安置できることがあります。
ただし、実際に搬送できるかどうかは、部屋の広さだけでは決まりません。
- 玄関や廊下の幅
- 階段やエレベーターの大きさ
- お部屋までの搬入経路
- 家具を移動できるか
- 故人様の体格やお身体の状態
なども確認する必要があります。
「自宅へ連れて帰りたいけれど、安置できるか分からない」という段階でも、葬儀社へ住宅の状況を伝えて相談できます。
自宅安置に必要な準備や室温管理については、別の記事で詳しく解説します。
安置施設を利用する場合
安置施設を利用するときは、次の点を確認しましょう。
- 面会ができるか
- 面会できる時間
- 安置にかかる費用
- 葬儀当日まで同じ施設で過ごせるか
- ご家族が付き添えるか
- お花やお供え物を持ち込めるか
施設によって利用条件が異なるため、費用だけでなく、 故人様とどのように過ごせるか も確認することが大切です。
5.葬儀社へ病院からの搬送を依頼する
安置先について考えたら、葬儀社へ連絡し、病院からのお迎えを依頼します。
電話をすると、一般的に次のようなことを確認されます。
- 故人様のお名前
- 病院名
- 病棟や病室
- 医師による死亡確認が済んでいるか
- ご希望の安置先
- 電話をしている方のお名前
- 折り返し先の電話番号
すべて分からなくても問題ありません。
安置先が決まっていない場合は、
「自宅へ連れて帰れるか分からない」
「安置施設を案内してほしい」
と伝えてください。
また、葬儀形式や予算が決まっていなくても、搬送を依頼できます。
6.死亡診断書・私物・入院費を確認する
病院を出る前に、書類や私物について確認します。
主な確認事項は次のとおりです。
- 死亡診断書または死体検案書の受け取り方法
- 病室に残っている私物
- 入院費の精算方法と時期
- 病院から返却される書類や持ち物
- 病院へ返却するもの
死亡診断書や死体検案書は、死亡届の提出などで必要になる大切な書類です。受け取ったら、折り曲げたり紛失したりしないように保管してください。
さいたま市・川崎市では、死亡届は死亡の事実を知った日から7日以内に提出するよう案内されています。死亡届には、医師が作成した死亡診断書または死体検案書が必要です。
参考: さいたま市「死亡届」 / 川崎市「死亡届」
ただし、病院を出てすぐにご家族が役所へ向かわなければならない、という意味ではありません。
死亡届の記入や提出について、葬儀社が支援する場合もあります。届出人となる方を含め、誰が記入し、誰が提出するのかを、依頼する葬儀社へ確認しましょう。
家族葬のウィルでは、ご家族の状況を伺いながら届出人を一緒に確認し、死亡届の記入方法から役所への提出手続きまでサポートしています。
病院から紹介された葬儀社に依頼する必要はある?
病院によっては、葬儀社をまだ決めていないご家族へ、葬儀社を紹介することがあります。
紹介された葬儀社へ相談することも選択肢の一つですが、必ずその葬儀社へ葬儀全体を依頼しなければならないわけではありません。
ご家族が自分で探した葬儀社や、事前に相談していた葬儀社へ連絡することもできます。
大切なのは、慌てた状態で葬儀全体の契約内容まで決めないことです。
紹介された葬儀社へ依頼する前に確認すること
病院から紹介された葬儀社へ搬送を依頼する場合は、次の点を確認しましょう。
- 搬送だけを依頼できるか
- 搬送費はいくらか
- どこへ安置するのか
- 安置費用はいくらか
- 面会はできるか
- 葬儀社を後から変更できるか
- 変更するときに再搬送費がかかるか
- 葬儀全体の契約まで必要になるか
「搬送だけのつもりだったのに、葬儀の契約まで進んでしまった」ということを防ぐため、どこまで依頼するのかを先に確認してください。
見積書を受け取った場合も、その場で決めず、ご家族で内容を確認してから判断して構いません。
葬儀社へ最初に電話するときに伝えること
葬儀社へ電話をする前に、次の内容を確認しておくと話が進みやすくなります。
分かる範囲で伝えること
- 故人様のお名前
- 病院の正式名称
- 病棟や病室
- 病院の住所
- 医師による死亡確認が済んでいるか
- 病院から搬送を求められているか
- 希望する安置先
- ご家族の代表者名
- 折り返し先の電話番号
病院の住所や病棟が分からない場合は、そのこともそのまま伝えて構いません。
まだ決まっていなくてもよいこと
次の内容は、最初の電話で決まっていなくても問題ありません。
- 家族葬、一日葬、火葬式などの形式
- 葬儀の日程
- 葬儀会場
- 宗教者への依頼
- 葬儀の予算
「何も決まっていません」と伝えたうえで、まず搬送と安置先について相談しましょう。
深夜・早朝に病院で亡くなった場合も葬儀社へ連絡してよい?
深夜や早朝であっても、病院から搬送を求められている場合は、時間を気にせず葬儀社へ連絡してください。
葬儀社へ電話をするときは、
- 病院名
- 故人様のお名前
- 死亡確認が済んでいるか
- 安置先が決まっているか
を伝えます。
安置先が決まっていない場合は、相談しながら決めることができます。
また、深夜に葬儀内容まで詳しく打ち合わせる必要はありません。
まずは故人様をお迎えし、ご安置した後で、改めてご家族の希望を確認しながら打ち合わせを行います。
病院から搬送した後に行うこと
故人様をご安置する
ご自宅または安置施設へ搬送し、故人様にお休みいただきます。
必要に応じて、お身体の保冷、着せ替え、メイクなどについて相談します。
葬儀の日程や形式を相談する
ご安置後に、ご家族の希望や状況を確認しながら、葬儀の内容を決めます。
主に確認するのは、次の内容です。
- 火葬場の空き状況
- 家族葬、一日葬、火葬式などの形式
- 参列人数
- 宗教者の予定
- 葬儀会場
- ご家族の予算
- 故人様らしい送り方
すぐに答えを出せない項目があっても構いません。
ご家族で相談したいことや、ほかの親族へ確認したいことがある場合は、その旨を担当者へ伝えましょう。
死亡届などの手続きを確認する
死亡届や埋火葬許可申請について、誰が記入し、誰が提出するのかを確認します。
対応範囲は葬儀社によって異なるため、依頼する葬儀社へ確認してください。
介護施設や自宅で亡くなった場合は流れが異なります
介護施設や老人ホームで亡くなった場合は、施設の看取り体制や医師との連携状況によって、その後の流れが異なります。
また、自宅で亡くなった場合は、
- かかりつけ医がいるか
- 訪問診療を受けていたか
- 予期されていた死亡か
- 突然の死亡か
によって、最初の連絡先が変わります。
自宅で亡くなった場合の詳しい連絡先や、医師・救急・警察による確認後の流れは、次の記事で解説しています。
介護施設や老人ホームで亡くなった場合の詳しい流れは、今後、別の記事で解説します。
病院で亡くなった場合のよくある質問
葬儀社をまだ決めていない場合はどうすればよいですか?
病院から搬送を求められている場合は、まず病院からのお迎えに対応できる葬儀社へ連絡します。
葬儀の内容や費用がまだ決まっていなくても問題ありません。
電話では、
「葬儀社をまだ決めていない」
「安置先も決まっていない」
と伝えたうえで、搬送と安置について相談してください。
病院から早く搬送するよう言われたら、葬儀内容まで決める必要がありますか?
葬儀内容まで、病院にいる間にすべて決める必要はありません。
まず決めるのは、故人様のお迎えを依頼する葬儀社と安置先です。
葬儀形式、日程、祭壇、料理、返礼品などは、ご安置後に落ち着いて相談できます。
自宅安置には、どのくらいの広さが必要ですか?
広い和室や専用の部屋が必ず必要というわけではありません。
エアコンで室温を管理でき、布団一組を敷ける4畳程度の空間があれば、多くの場合は自宅安置を検討できます。
ただし、玄関や廊下、階段、エレベーターなどの搬入経路も確認する必要があります。判断が難しい場合は、搬送前に葬儀社へ住宅の状況を伝えてください。
自宅に安置できない場合も大丈夫ですか?
自宅に安置できない場合は、葬儀社や民間の安置施設を利用できます。
安置施設を選ぶときは、
- 面会できるか
- 面会時間
- 安置費用
- 葬儀当日まで同じ場所で過ごせるか
を確認してください。
病院から紹介された葬儀社を断ってもよいですか?
病院から葬儀社を紹介された場合でも、ご家族が自分で探した葬儀社へ相談できます。
ただし、すでに搬送や安置を依頼している場合は、搬送費や安置費、再搬送費などが発生する可能性があります。
契約前に、どこまで依頼するのかを確認しましょう。
死亡診断書は誰が受け取り、どこへ提出しますか?
病院で亡くなった場合は、状況に応じて医師が死亡診断書または死体検案書を作成します。
ご家族などの届出人が、死亡届とともに市区町村へ提出します。さいたま市・川崎市では、提出期限を死亡の事実を知った日から7日以内と案内しています。
家族葬のウィルでは、死亡届の記入方法のご案内から、役所への提出手続きまでお手伝いしていますので、ご安心ください。
まとめ|病院で亡くなったら、まず搬送と安置先を整えましょう
病院でご家族が亡くなったら、まず医師や看護師から説明を受け、故人様の安置先を決め、葬儀社へ搬送を依頼します。
病院にいる間に、葬儀の形式、日程、祭壇、料理などをすべて決める必要はありません。
最初に行うことは、次の4つです。
- 医師や看護師から説明を受ける
- 搬送を依頼する葬儀社を決める
- 自宅または安置施設などの搬送先を決める
- 死亡診断書や病院の私物を確認する
まずは、故人様が安心してお休みできる場所を整えることを優先してください。
その後、ご家族の気持ちや状況を確認しながら、どのようにお見送りするかを考えていきましょう。

